進化するアタッカー 旗手怜央

2018年8月16日 第18回 アジア競技大会 日本対パキスタン ジャカルタで行われたこのゲーム 日本のスターティングラインナップの殆どが既にプロデビューを果たし、また板倉滉(仙台)のようにチームの中心選手として活躍している選手、前田大然(松本)のようにJ2クラブで大ブレイクした選手で構成されている。その中で3-6-1のツーシャドー、ワントップの前田のすぐ下の位置でプレーする旗手怜央は順天堂大学に通う大学生である。
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2018年度 関東大学リーグには11試合出場し6得点。昨年度は17試合に出場し14得点。関東王者奪還を狙う順天堂大学のエースだ。鍛えられた力強い下半身は世界レベルの屈強なDF相手にも負けず、敵を引き剥がすスピードも兼ね備えている。また、静岡学園(通称静学)出身らしい繊細なボールタッチで相手をかわすプレーも得意だ。「Jリーガーの中で誰に似た選手なんだ?」とよく聞かれるが、答えは中々浮かんでこない。なぜなら、今までの日本では見かけない、説明不可能なアタッカーだからだ。

パキスタン戦では前半9分、左サイドで遠藤渓太(横浜FM)がボールを持つと、旗手はボックス内へ侵入。クロスに対して胸トラップでマークする相手を離し冷静にゴール。立て続けに前半10分、前田からボールを受けると左足でターンし再び前田へラストパス。前田はしっかりと決め、アシストを記録した。

https://youtu.be/ZT6qBZsKs1o

 

更には前半35分、ボックス内でキープし、岩崎へ絶妙なアシスト。前半だけで1G2Aの大活躍だった。

スコアシーンだけではなく、幾度も前田への好スルーパスやサイドからのクロスでチャンスを演出した。普段、順天堂大学でプレーする際はMFに名古新太郎(4年/鹿島アントラーズ内定)や新関成弥(1年/清水Y)等の能力が高いアタッカーが揃っており、旗手はどちらかと言えばフィニッシャーとしてのタスクが多い。今季の前期リーグ第6節駒澤大学戦では新関のクロスからDFに競り勝ちヘディングシュートを叩き込むなどストライカーとしての活躍が目立つ。

一方、日本代表ではチャンスメイカーへと変貌する。敵陣深くまで切り裂くドリブル突破は森保一JAPANの武器の一つだ。この多才なプレーの使い分けとプレーの幅の広さが旗手の武器であり「説明不可能」と言われる所以である。

同じポジションを争う三笘薫(筑波大/3年)とは関東リーグの良きライバルであり、2020年からは川崎フロンターレでチームメイトとなる。東京五輪に出場するかもしれない そんな期待のかかる大学生アタッカー達を簡単に見られるチャンスは今しかない。是非一度、関東大学リーグの会場へ足を運んでほしい。Jリーグへの内定を目指す選手達の熱い闘いがそこにはある。